しかし、どこかで誰かに伝えたい、他の演奏者と共によりよい音楽を奏でたいう目的のところに身をおいたとします。そうはいきません。あるところまでは前述のように何とか喘ぎながらやれた、またそれを自負してはみるものの、残念ながらいずれその限界はやってきます。
教則本あるいは教則課題は、大先輩(年齢ではありません)の考え、音楽への思いのこもったものです。そしてそれを理解し、同じ思いを持つ指導者に就くことは、単にどう演奏するか、演奏できるか出来ないかだけではなく、音楽への、素直さ、学ぶ姿勢、謙虚さ等、音楽に必要な心も知らず知らずのうちに身につけさせてくれることなのです。教則本はつまらんかもしれません、しかし省略してしまっては大切なことを得るチャンスを逃してしまいます。
もし貴方が他の人のために、他の人と共に音楽を奏でたい、他の人のために音楽を伝えたい、つまり演奏者たらんと思ったら、教則本と教師からあなたに必要な多くのことを学ぶことをお勧めします。