現在は先輩や中心リーダー的な立場の人でも、参加当初は「目からウロコ、耳からウロコ・・・」「自分達にもこれだけのことができるのだ!」と驚きと喜びを感じたものでしたね。私から受け継いだ沢山のことを、他の団体から移籍、あるいは自己流のベテランさんの新参加メンバーが、すぐできるだろう、と思いこんではいけません。本人たちは「まったくできない」と落ち込むほど未知の世界なのです。(私からすれば奇妙なことだと思いながら、周りを見るにつけ、大いに納得するところですが。)
アマチュア団体においてはメンバー個人個人に責任を持たせることには無理があります。新メンバーを含めた現在の力がその団体の実力となるのです。よく「上手いメンバー(個人)が揃っても、良い演奏(合奏)ができるとは限らない。」と言われますが、逆に、個人的技能が未熟な若者達が、合奏体として、ある種感動的な素晴らしい演奏を披露することは珍しくありません。例えばアンサンブルが合うという点でみても、表面的に「合わせている」のではなく、気持ちから「合っている」のです。気がつくことは、そこには決して、いわゆる「お客さん」が居ないということです。全員が自信を得るまでみんなでレッスンした様子が演奏の向こうに見えてきます。指導する私はそれが愛おしくて感動します。
今「レッスン」と言いましたが、私自身の演奏活動では「練習」は敢えて「レッスン」と言っています。仲間同士お互いに学び合うからです。