2007年06月18日

rit.はつねにブレーキ?

曲の中にrit.やその類の記号をみると、何が何でもブレーキをかけてゆっくりする、と思い込んでいる方が多いのですね。「徐々に遅くなって」という意味のrit.ですが、ブレーキをかける方法だけがその意味を実現する方法でしょうか?その方法だけですと、曲によって、あるいは部分によっては、どうしても違和感のあるrit.になってしまう場合があります。当然合奏ではそこでギクシャクしてバラバラになり無理やりなんとかしてみたものの、抵抗感は消えません。

 走っている車のスピードを遅くするには、ブレーキをかけます。力を加えて遅くする方法ですね。では、ゴルフのパターで打ったボールはどうでしょう。直接カップを狙わない場合、次にカップを狙える位置でボールが止まるように打ちますね。ボールにはブレーキをかけられませんよ!でも徐々に遅くなってついにその場に止まります。力を加えたのは打球の瞬間だけ。あとは自然運動に任せています。平坦な路、自転車でこぐことを止めて「身を任せていると」ゆっくりなって行きます。ブレーキはかけなくても!

 放置していても勢いが弱まっていくことで徐々に遅くなっていくことがあることを思い起こしてください。自然の中に存在するrit.の運動です。
 上り坂の上に向かってボールを転がしてみると、やはりrit.がかかります。こんどはかなり急なrit.・・etc.

 このように、実は私達は日常身のまわりで、多くの自然とのかかわりでrit.を体験しているはずです。人間はそれを察知できます。またそれをイメージも出来ます。だから、先ほどのゴルフや、自転車の運転が出来るのです。音楽では、演奏する人、聴く人が同じ気持ちでrit.を表現し味わうことができるのです。

 今あなたが演奏している曲のそのrit.はどんなrit.が相応しいか考えてみましょう。



 
posted by ひかちゃん at 00:43| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする